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松江地方裁判所 昭和48年(ワ)100号 判決 1974年12月10日

原告

畑秀雄

ほか一名

被告

姫路市

ほか一名

主文

被告吉田和正は原告両名に対しそれぞれ金三、四六九、七七四円および金三、一六九、七七四円に対する昭和四七年一〇月一七日から支払ずみまで年五分の割合による金員ならびに原告畑秀雄に対し金一〇〇、〇〇〇円に対する昭和四九年一月一七日から、金二〇〇、〇〇〇円に対するこの判決言渡の日から、原告畑光栄に対し金三〇〇、〇〇〇円に対するこの判決言渡の日から、それぞれ支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

原告らの被告吉田和正に対するその余の請求および被告姫路市に対する請求をいずれも棄却する。

訴訟費用中、原告らと被告姫路市との間に生じた分は原告らの負担とし、原告らと被告吉田和正との間に生じた分はこれを二分し、その一を原告らの負担とし、その余を被告らの負担とする。

第一項に限り、仮に執行することができる。

事実

一  原告らの申立

「被告らは各自原告両名に対し金二六、四〇〇、〇〇〇円および内金二四、〇〇〇、〇〇〇円に対する昭和四七年一〇月一七日より支払ずみまで、内金二、四〇〇、〇〇〇円に対する本件訴状送達の日の翌日より支払ずみまで、それぞれ年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告らの負担とする」との判決および仮執行の宣言を求めた。

二  原告らの主張

(一)  原告両名の二男、畑郁雄(昭和二六年八月六日生)は、昭和四七年一〇月一六日午前八時四二分ごろ、自動二輪車を運転して姫路市飾磨区今在家一、〇六八の六先国道二五〇号線上交差点を東から西へ向い直進しようとしたとき、被告吉田が運転して同交差点に西から入り、南へ右折しようとした同被告所有の軽乗用車と衝突し、右事故による負傷のため死亡するに至つた。

(二)  被告吉田は被告姫路市の職員で、日頃本件の加害車を通勤に用いていたところ、本件事故は被告吉田が上司の指示に従い、同被告が職務上担当していた下水道工事の作業現場へ出勤前におもむこうとした途中に生じたもので、このとき本件加害車の運行を支配していたのは被告姫路市であり、運行利益も同市に帰属していた。かつ本件事故は被告吉田が被告姫路市の事業を執行するにつき、次に記すような過失により発生させたものということができる。

被告吉田は本件加害車を所有し、本件事故発生当時その運行支配は被告姫路市と共に被告吉田にもあつた。そして本件事故の原因は同被告が交差点中心の直近の内側で右折すべきところ、交差点を小まわりし、しかも直進車に進路を譲るべき義務を怠つた過失に帰せられるべきである。

よつて被告姫路市は自賠法三条および民法七一五条により、被告吉田は自賠法三条および民法七〇九条により、それぞれ本件事故の結果生じた損害を賠償すべき義務を負う。

(三)  郁雄は昭和四五年三月東伸製鋼株式会社に入社し、姫路市飾磨区細江一、二八〇番地の同社姫路製鋼所に勤務していた。その平均月収は、昭和四五年には五九、六一七円、四六年には七九、〇三四円、四七年には九三、九四九円であつた。

東伸製鋼では四六年には一、〇〇〇円、四七年、四八年には各一、三〇〇円の定期昇給が行われ、ほかに労使双方の合意により四六年に七、三〇〇円、四七年に七、〇〇〇円、四八年に一三、七〇〇円のベースアツプがそれぞれ実施され、基本給以外の諸手当もこれに伴つて増額された。このような経過と現在の日本における人件費の上昇傾向を考えあわせると、郁雄の将来の月収は、少なくとも毎年一〇、〇〇〇円ずつの割合で増加することが予想できる。

郁雄は死亡当時二一歳で、本件事故で死亡しなければ、五五歳で定年に達するまで三四年間にわたり、毎年右の割合で増加する収入をあげることができたはずであり、その間の生活費を収入の三割として計算すると、本件事故で死亡したことにより失われた郁雄の得べかりし利益は、三七、九八〇、〇〇〇円にのぼる。

(四)  郁雄は前途春秋に富む青年の身で、加害者の一瞬の不注意のために致命傷を負い、一週間も意識不明のまま病床に横たわつた末、不帰の客となつた。郁雄が人生の最後に味わつたこの精神的苦痛は、少なくとも金三、〇〇〇、〇〇〇円の慰藉料に値するものである。

(五)  よつて郁雄は被告らに対し合計金四〇、九八〇、〇〇〇円の損害賠償を求め得べきところ、同人には妻子がなかつたので、同人の死亡により両親である原告両名が右請求権を二分の一ずつ相続した。

(六)  郁雄の将来に大きな期待を寄せていた原告両名も被害者本人に劣らない深刻な精神的苦痛を味わつた。

これに対する慰藉料は各原告につき金一、〇〇〇、〇〇〇円ずつをもつて相当とする。

(七)  従つて原告らはそれぞれ二一、四九〇、〇〇〇円ずつの損害賠償請求権を有することになるが、自賠責保険から二、五〇〇、〇〇〇円ずつの支払を受けたので、残額は各一八、九九〇、〇〇〇円となる(右の外に自賠責保険から治療費として金五〇〇、〇〇〇円の支払を受けたことは認めるが、本訴で請求していない治療費負担による損害の填補に充当した)。

(八)  原告らは右のうち一二、〇〇〇、〇〇〇円ずつの支払を被告らに求めたが被告らは応じないので弁護士野島幹郎に委任して本訴を提起した。報酬としては取れ高の一割五分を支払う約束をしたが、本訴においてはそのうち一、二〇〇、〇〇〇円ずつを本件交通事故と相当因果関係のある損害として被告両名に請求する。

(九)  よつて原告らは被告ら各自に対し、原告両名に対する金二四、〇〇〇、〇〇〇円およびこれに対する本件交通事故の翌日である昭和四七年一〇月一七日より支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金ならびに弁護士費用の一部である金二、四〇〇、〇〇〇円およびこれに対する本件訴状送達の日の翌日から支払ずみまで右同様の割合による遅延損害金の支払を求め、本訴におよんだ。

三  被告姫路市の答弁および主張

(一)  原告らの主張(一)の事実ならびに被告吉田が被告姫路市の職員であること、亡郁雄の生前の職業および同人の権利義務を原告らが相続したこと、原告らがその主張の額の保険金を受領したことは認めるが、被告姫路市の運行供用者責任および使用者責任に関する原告らの主張は争う。原告ら主張のその余の事実は知らない。

(二)  被告吉田は被告姫路市の下水道課勤務の職員であるところ、本件事故当日、姫路市飾磨区今在家地先における下水道工事につき、工事現場において請負業者と工程の検討などをする予定があり、たまたま現場が同被告の出勤コースに近かつた関係上、同被告所有の通勤用軽乗用車で現場に立寄ろうとした途中で本件事故を起したものである。

右のような事情であるから、本件加害車について被告姫路市は何らの運行支配も運行利益も持たないし、被告吉田が被告姫路市の業務執行中に本件事故を起したものともいえない。

(三)  仮に被告姫路市が本件事故について責任を免れないとすれば、被告者亡郁雄にも後記被告吉田の主張のとおり重大な過失があつたから、右主張を援用し、過失相殺の主張をする。

四  被告吉田の答弁および主張

(一)  原告ら主張の(一)の事実、同(二)のうち被告吉田の責任原因に関する事実は認める。自賠責保険金については、原告らは五、〇〇〇、〇〇〇円を受領したというが、その外に治療費として金五〇〇、〇〇〇円が支払われているものである。原告ら主張のその余の事実は知らない。

(二)  本件事故については被害者亡郁雄の重大な過失が大きな原因をなしているから、過失相殺の主張をする。

本件事故現場は信号機が設けられている交差点内であり、事故直前被告吉田が本件加害車を運転し、西から東へ向つて交差点に入り、右折しようとしたところへ、亡郁雄が東から西へ向つて自動二輪車を運転してきて、これに衝突したものである。

被告吉田運転の本件加害車が交差点に入ろうとしたとき、対面する信号が青であつたか黄であつたかは必ずしも明らかではないが、本件加害車が交差点に入り切つたときには、交差点の東側で西に向おうとする普通乗用車が止り被告吉田に右折をうながす合図をしているので、そのときには東西方向の信号は黄色になつていたと考えられる。このような状況で被告吉田が交差点を小まわりして右折しようとしたことは、過失であることは否定できないとしても、さほどの非難に値するものではない。しかるに亡郁雄は対面信号が黄色であるのを無視し、停車線手前で停止することなく、止つている前記普通乗用車の左側を通り、おそらくは制限速度をこえる高速で交差点内に進入し、既に右折をはじめている本件加害車に衝突した。その際本件加害車の速度は時速約一〇キロメートル程度に落ちており、被告吉田は亡郁雄を発見するとすぐブレーキを踏んだので、本件加害車は〇・三メートルのスリツプ痕をつけて衝突以前に停止したものとみられる。これに反し亡郁雄の二輪車はスリツプ痕を全くつけていない。もし同人がブレーキをかけて減速し、かつ少しハンドルを左に切つたならば、停止した本件加害車の前を安全に通過できたはずである。

さらに同人はヘルメツトをつけていなかつたが、同人がもしヘルメツトをつけていたら、頭部への衝撃は相当に緩和され、おそらくは死亡を免れたものと考えられる。

このように両者の過失の大きさをくらべてみると、亡郁雄の過失の方がはるかに大きく、その割合は七対三と評価するのが相当であるから、被告吉田は七割の過失相殺を主張するものである。原告らが請求していない治療費についても、自賠責保険で支払われた金五〇〇、〇〇〇円のうち、亡郁雄の過失割合に相応する額は被害者側の負担に帰すべきであるから、その分の金額を被告吉田が賠償責任を負う金額から控除すべきである。

五  証拠〔略〕

理由

一  原告らの主張(一)の事実は当事者間に争いがなく、右事実によれば被告吉田は本件事故当時本件加害車を自己のために運行の用に供していた者というべきところ、同被告は本件事故につき自賠法三条に定める責任を免れる要件がある旨の主張をしないから、右法条にもとづく賠償責任を負わなければならない。

二  原告らは被告姫路市もまた本件加害車の運行供用者であつたとの主張をする。

そして被告吉田が被告姫路市の職員であることは当事者間に争いがなく、〔証拠略〕によれば、被告吉田は被告姫路市の下水道部で設計などの業務に従事しているものであるところ、本件事故当日、担当の工事である姫路市飾磨区今在家の下水道工事現場において、請負業者に対し工程の検討および工事の指示などをするため、上司の命により右工事現場におもむくべく、早朝出勤前に自宅から直行しようとして本件加害車を運転中に本件事故を起したものであることが認められる。しかしながら本件加害車が被告吉田の所有であることが当事者間に争いのない本件の場合、被告姫路市がその運行供用者としての責任を負うには、少なくとも本件加害車が日常被告吉田が担当する被告姫路市の業務の執行のために反復継続して使用され、被告姫路市が被告吉田の職務活動を通じて、本件加害車の運行を部分的にもせよ支配しているとみられるような事実があることを要するものというべきところ、本件全証拠によつても、被告吉田の日常業務が本件加害車の利用にひんぱんに結びついていたと認めることはできず、前記認定のように、たまたま本件事故が被告吉田の業務上の目的地へ本件加害車を運転して行く途中で生じたというだけの事実をもつてしては、被告姫路市を運行供用者として、その責任を問うことはできない。また本件加害車の運転自体は被告吉田の職務内容をなすものではなく、本件事故発生の際の被告吉田の具体的な運転行為も、被告姫路市の指示または承認にもとづいて遠隔地への出張に本件加害車を利用したというようなものではなく、被告吉田が日常通勤などの目的で本件加害車を運転している場合とくらべて地域的にも距離的にも格別異らない状況において、市内出張の手段として、同被告の個人的な選択にもとづいてなされたにすぎないというべきであるから、右運転行為を目して被告姫路市の事業の執行につきなされたものということはできず、従つて被告姫路市に民法七一五条にもとづく使用者責任があるという原告らの主張も容れることはできない。

結局原告らの被告姫路市に対する請求はその前提を欠き、損害の発生について判断するまでもなく、棄却を免れない。

三  そこで次に被告吉田が原告らに対して賠償すべき損害の発生について検討する。

亡郁雄が昭和二六年八月六日生まれであつたことは当事者間に争いがなく、〔証拠略〕によれば、亡郁雄は出雲農業高校卒業後東伸製鋼株式会社に就職したもので、生前は至つて健康であつたことが認められる。

原告らは亡郁雄の逸失利益を将来予想される昇給やベースアツプを織りこんだ計算にもとづいて主張しているが、本件全証拠によつても右のような予想が実現する蓋然性の程度は測りがたいという外なく、この点に関する原告らの主張は採用の限りではない。むしろ右逸失利益の額を計算する方法としては、亡郁雄は同人の死亡当時の平均余命の範囲内であることが明らかな六七歳から同人の死亡当時の年齢二一歳を引いた期間である四六年間にわたり、右期間を通じて平均すれば、本件事故が発生した昭和四七年度における労働省労働統計調査部の賃金構造基本統計調査による新高卒男子労働者の平均賃金(年額一、二九五、六〇〇円)を下らない収入を得られたものと推認して、これにもとづいて算出するのが相当である。かつその間の亡郁雄の生活費としては、平均してその収入の四割があてられるものと推認するのが、ほぼ合理的ということができよう。そうすると亡郁雄の年ごとの平均逸失利益は七七七、三六〇円となり、右の割合による将来四六年間の逸失利益総額を、ライプニツツ式計算法により年五分の中間利息を複利で控除した現価で示すと、金一三、八九九、二四八円となる。

次に原告らは慰藉料として亡郁雄が自らの死亡によつて負わされた精神的苦痛のつぐないとして受けるべき慰藉料 相続分と、原告らの固有の慰藉料として受けるべき分とを分けて請求しているが、本来精神的苦痛のつぐないとしての慰藉料を求める権利は、被害者の一身に専属し、それが和解契約や裁判などにより具体的に金額を特定された債権として客観化されたような場合を除き、原則として相続の対象にならないものと解するのが相当であるから、原告らの右主張中慰藉料請求権の相続をいう部分は、失当で採用できない。しかしながら原告らの真意は、仮に慰藉料請求権の相続が認められないとすれば、右相続分として原告らが主張する金額もまた、原告らの固有の慰藉料の一部として請求する趣旨であると解されるところ、原告らが主張する一人当りの慰藉料合計二、五〇〇、〇〇〇円は、原告ら各自の固有の慰藉料として相当と認むべき範囲内にあるから、これを原告ら各自の精神的苦痛を金銭的に評価した額として認めることとする。

そうすると原告らが亡郁雄の両親であることは当事者間に争いがなく、〔中略〕によれば亡郁雄には原告らのほかに相続人がなかつたことが認められるので、原告らは各自亡郁雄の逸失利益賠償請求権の二分の一と固有の慰藉料請求権とを加えて、九、四四九、六二四円ずつの損害賠償を求め得べきものと計算される。

四  次に被告吉田の過失相殺の主張について判断する。

〔証拠略〕によると、被告吉田は国道二五〇号線を西から東に向つて本件事故現場である姫路市飾磨区今在家一、〇六八の八番地所在交差点に至り、右折するため交差点入口の横断歩道上で一旦停止したが、東から対向してきた普通乗用車が交差点手前で減速し、運転者が手で被告吉田の右折をうながす合図をしたので、被告吉田は右折を急いだため交差点中心まで行かずに、ただちに発進しながらハンドルを右に切り、時速約一〇キロメートルの速度で小まわりで右折しようとし、その際前記普通乗用車以外の対向車の有無に注意しないで、進行方向にのみ注意をうばわれていたこと、そのころ東西方向の信号は青から黄に変つたが、亡郁雄は黄信号に変つた直後、自動二輪車を運転して交差点の東から西に向い直進しようとして、前記普通乗用車の左側を追い抜き、相当な速度で交差点内に入つたこと、被告吉田は右自動二輪車が八・六メートルの距離に迫つたとき、ようやくこれを発見し、急ブレーキをかけ、二・五メートル進行して停止寸前の状態に至つたが、そのとき右二輪車はブレーキをかけず、ハンドルも切らないままで被告吉田運転の本件加害車右前部に衝突し、亡郁雄はその場に転倒して意識を失つたこと、その際亡郁雄はヘルメツトを着用していなかつたことが認められる。

右認定の事実からすれば、本件事故については、被告吉田に六、亡郁雄に四の割合で過失の責めを帰するのが相当であり、従つて被告吉田が負担すべき損害賠償義務は、前記の計算による金額の六割に当る金額の支払をもつてその限度とすべきである(被告吉田は自賠責保険から治療費として支払われた金五〇〇、〇〇〇円も、一旦全損害の中に含め、右の過失相殺を施してから、金五〇〇、〇〇〇円を改めて控除する方法で、被告吉田の責任額を計算すべきだと主張し、右のような主張にももとより一理はあるが、本件の場合、金額としては相対的に小さい治療費充当分についてまで、そのように形式的に厳密な被害者側の負担割合を考えることは、もともと機械的に正確には定め得ない過失割合にこだわりすぎる嫌いがあり、当事者間の公平な損害の分担を計るのには必ずしも必要とはいえないので、右主張は採用しない)。

五  そうすると被告吉田が負担すべき賠償金額は、原告両名に対し各五、六六九、七七四円となるところ、原告らが前記治療費五〇〇、〇〇〇円以外に自賠責保険から金二、五〇〇、〇〇〇円ずつの支払を受けたことは当事者間に争いがないので、これを控除した残額は各三、一六九、七七四円となる。

原告らはさらに弁護士費用の賠償を求めているところ、〔証拠略〕によると原告らは本件訴訟代理人に着手金として一〇〇、〇〇〇円を支払い、本訴終局後、弁護士費用以外の請求認容額の一五パーセントに当る金額から右着手金をさし引いた金額を謝金として支払う約束をしたことが認められるが、このうち被告吉田に負担させるべき金額としては、各原告につき金三〇〇、〇〇〇円ずつと定めるのが相当で、これに対する遅延損害金は、着手金一〇〇、〇〇〇円(原告畑秀雄が支払つたものと推認する)については被告吉田に対する本件訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな昭和四九年一月一七日から、その余の金額(原告畑秀雄に対する二〇〇、〇〇〇円、同畑光栄に対する三〇〇、〇〇〇円)についてはこの判決言渡の日から起算することとする。

六  よつて原告らの被告姫路市に対する請求を棄却し、被告吉田に対する請求を、原告両名に対しそれぞれ金三、四六九、七七四円および金三、一六九、七七四円に対する本件事故発生の日の翌日である昭和四七年一〇月一七日から支払ずみまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金ならびに原告畑秀雄に対し金一〇〇、〇〇〇円に対する昭和四九年一月一七日から、金二〇〇、〇〇〇円に対するこの判決言渡の日から、原告畑光栄に対し金三〇〇、〇〇〇円に対するこの判決言渡の日から、それぞれ支払ずみまで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条、九三条、仮執行の宣言につき同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山田真也)

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